2024年10月期のドラマで放送がスタートした嘘解きレトリック。
本作は嘘を見抜ける能力を持つヒロインが、その力ゆえに味わっていた孤独からどんな風に成長していくのか、そして能力を使ってどう謎解きしていくのか、関わる人間模様も面白く心が温まる漫画です。
今回は「嘘解きレトリック」の最終回結末と主要キャラのその後についてわかりやすくまとめてみました。
原作漫画の1巻~最終巻10巻までのストーリー、発生する事件の詳細もネタバレ解説していきますので最後までお楽しみください。
「嘘解きレトリック」原作の全巻ネタバレあらすじ
「嘘解きレトリック」の10巻最終回結末ネタバレ
「嘘解きレトリック」の各事件の謎解きと犯人
「嘘解きレトリック」の主要キャラのラストのその後は?
「嘘解きレトリック」を読んだ人の感想・評判
【嘘解きレトリック】原作10巻の最終回結末ネタバレ
10巻までのストーリーおさらいをまずご紹介します。
鹿乃子が左右馬と電車で移動中、史郎にさらわれてしまいます。
史郎の目的は嘘が聞こえるという彼女の能力を利用して、真実を知りたいとの事でした。
かつて史郎は孤児で名前もなく、彼女と同じように嘘を聞き分ける能力を持っていたんです。
そしてその能力に惚れ込んだ武上という男に拾われて、聖なる力の能力者として生きていきました。
雇い主でもある武上は史郎の能力を利用して商売道具としましたが、それによって史郎は自分の命をつなぎとめています。
しかしある日突然彼の能力が消えてしまい、嘘を聞き分けられなくなってしまったんです。
それと同時に武上からも見捨てられた状態になり、彼はなんとかこれまで培ってきた生きるすべをなんとか駆使して詐欺など繰り返しながら生きてきます。
武上の居所を知った彼は、どうして姿を消したのかその理由を探るべく、鹿乃子を誘拐して真実を知ろうとしました。
【嘘解きレトリック】結末ネタバレ:鹿乃子誘拐事件の結末
武上に会った史郎は自分の事が分かるかと聞きます。
しかし、彼は「分からない」と答えました。
嘘です。
下水道を使って逃げるよう指示した時、自分に死んでほしかったのかと再び尋ねますが、武上は「分からない」と答えます。
これも嘘でした。
嘘であるとは分かっても、武上が本当はどう思っているのか、どうして嘘をついたのかは鹿乃子の能力では分かりません。
あやうく崖の下に落ちそうになりましたが、左右馬に助けられ改心。
自ら警察に出頭することにしたんです。
史郎のように、嘘を見分けられなくなったら自分は捨てられてしまうのではないかという気持ちが頭から離れないのです。
でも、左右馬はその彼女の気持ちを悟って安心させてくれました。
【嘘解きレトリック】結末ネタバレ:初めてのクリスマスパーティ
みんなで鹿乃子のためにクリスマスパーティーを計画することにしました。
しかも彼女には通用しないサプライズで…。
行きつけの茶屋のみんなが左右馬が隠れてクリスマスツリーの飾りつけをしているのをこまかすために嘘をつきます。
みんなが隠し事をするのでだんだんと不安な気持ちになってしまいます。
クリスマスツリーの飾りつけが落ちていることに気づいた鹿乃子はそのことを聞くと、彼はひょうひょうとみんなの前でサプライズをばらしてしまいました。
みんなは彼のことを責めましたが、鹿乃子は嘘をつかないためにそうしてくれたことに気づきます。
思わず抱きついて左右馬をかばいました。
翌日、とても素敵なクリスマスパーティーが開かれました。
【嘘解きレトリック】結末ネタバレ:左右馬が探偵になった理由
左右馬と馨は幼馴染でした。
中学生の頃からの付き合いです。
左右馬は観察力と洞察力に優れていて、勘と推理力を生かしていろんなものを見抜いたりする能力に優れていました。
自分の感覚の賜物ですが、周りからしたら心が丸裸にされているような気持ちになった事でしょう。
昔から怠け者の彼は、トラブル回避のために自分の力を生かしていたんですが、殆どの場合余計厄介なトラブルに巻き込まれる事もしばしば。
高い推理力は余計な疑いを呼ぶだけでした。
それゆえに孤独でした。
実は鹿乃子と同じような境遇だったんです。
一方で馨は正義感に溢れた一本気の男で、小さな鍵を落としてしまって探している時に左右馬に会いました。
馨が鍵を落としたのを疑うことなく話を聞き、自慢の推理力で鍵を見つける事ができました。
優れた勘が的中し、テスト問題が予想通りになって時に、前もって問題を知っていたんではないかと疑われてしまいました。
見てないと証明はできません…つまり、証拠もなく人を信じるのは難しいんだとつくづく感じます。
しかし、馨だけは素直に信じてくれました。
友を信じるために証拠なんていらないと最初に示してくれたのは左右馬のほうだったから…
夜の街の中、女性が酔っ払いに絡まれてるところに遭遇した2人は女性を助けようとかけていきます。
酔っぱらい曰く、女性が人の財布をスろうとしたと言うんです。
話や状況を整理し、それが酔っぱらいたちの勘違いだと証明します。
バツが悪くなった酔っぱらいは、腹いせに2人をぼこぼこにしました。
すっかりやられた2人ですが、正義感の強い馨は納得のいっていない様子。
それをみた左右馬が「警察官になればいい」と言ったんです。
その言葉は彼の生き方を大きく変えるものになります。
そして彼の返事は「わたしが警察官なら、お前は探偵な」
【嘘解きレトリック】結末ネタバレ:鹿乃子が左右馬に大好きと伝える
嘘をついていることが分かることと、心が読めることは全く違うもの。
もし仮に先の将来が分かってしまったら、今がバカバカしくなってしまうでしょう。
今この瞬間の気持ちが嘘でないことがわかったとしても、人は変わってしまうものです。
そう考えると鹿乃子の能力でできることはそんなに重要ではありません。
だからこそ大切なのは今の気持ちなんです。
そう気づいた彼女は左右馬に自分の気持を伝えることにしました。
「ずっとずっと大好きです」
それに対して「ぼくもずっとこれからも大好きですよ」と答えてくれたんです。
その言葉は全く嘘のない言葉でしたし、これから先も嘘になることはありません。
【嘘解きレトリック】事件と犯人のネタバレあらすじ
左右馬と鹿乃子が2人で解決した事件をまとめてみました。
事件の概要と犯人をまとめたので、ぜひご覧ください。
藤島千代誘拐事件の犯人は誰?
左右馬宅の側に住む藤島家に大家さんからのお届け物を届けに行った2人は、そこで藤島家の娘千代宛に脅迫状が届いていると聞かされます。
その矢先、千代の運転手をやっている耕吉がひどい怪我をして屋敷に戻ってきました。
頭から血を流しながら、千代が誘拐されたと言うんです。
しかし、鹿乃子はそれが嘘だと分かり、事情を聞くことにしま。
千代が怪我一つなく屋敷に帰ってきたため、耕吉は言い訳ができなくなってしまいました。
そして今回の事件の犯人は耕吉で、半年前に騙されて作ってしまった借金を返すためにやったことだと自供します。
彼は心から謝罪し運転手の職を辞めることを申し出ますが、藤島家の旦那はそんな彼を引き止めてくれました。
借金も肩代わりしてくれる様子です。
今までの信頼できる働きが高く評価されたんですね。
幽霊屋敷殺人事件の犯人は誰?
幽霊を見た驚きで車に轢かれてしまった桐野貫二。
そこは10年前に殺人事件が起きた洋館で、その事件はまだ解決していません。
事件を聞いた左右馬が話を聞きにお見舞いに行くと、カフェローズの女給ローズと寛二が言い争いをしているのに遭遇します。
ローズは寛二の浮気を疑っていたんです。
同時期に馨は殺人事件を調査していました。
左右馬と鹿乃子で力で馨が捜査している事件と10年前の未解決事件の犯人が同じだということを見抜きます。
また、ローズが寛二の浮気相手だと思っていた人も一緒だったんです。
寛二の浮気疑惑も晴れ、事件も解決することができました。
人形屋敷殺人事件の犯人は誰?
綾尾家の人形屋敷で働いていた女中、柴田イネが人形を抱えたまま死んでいました。
最初にこの死体を発見した釣り人は人形が殺したと言っています。
綾尾家は人形を育てるという不思議な慣習を持っていて、当主の綾尾夫妻が事故で亡くなって以来、一人娘の品子が家を受け継いでいました。
左右馬と鹿乃子は品子が犯人で、一人娘ではなく、外見のよく似た三つ子であることを見抜きます。
綾尾家の慣習を守るために仕方なく及んだ犯行だといいます。
刀真島殺人事件の犯人は誰?
寛二が白井峰男が殺された事件を調査して欲しいと左右馬に依頼してきました。
刀真島でスケッチをしていた寛二は峰男の兄夫婦の家に宿泊させてもらっていました。
事件の調査が進むと、峰男の兄夫婦、白井源とコウに犯人の疑いがかかります。
ですが、寛二は峰男が殺された時間は一緒にいたと証言をしましたが、左右馬はそのアリバイを利用しているのではないかと推測しました。
寛二が入浴している間に、彼の時計をずらし現時刻を勘違いさせることでアリバイ工作をしたんです。
寛二は慕っていた夫婦が犯人であるかもしれないこと、自分がその犯行の一端を担ってしまったことにショックを受けるが、事件を解決するために嘘はつきたくないと決意します。
白井夫婦は峰男の財産目当てで殺害したことを認め、事件が解決しました。
たの湯殺人事件の犯人は誰?
差出人不明の手紙を受け取った左右馬は1人で、旅館たの湯へ行きました。
手紙の手がかりを探したものの特に分からず帰宅すると、たの湯の桔梗の間で殺された遺体が発見されました。
左右馬も容疑者の1人になっていたんです。
鹿乃子はかつては史郎、そして今は関内要と名乗る青年を頼りに、左右馬の無実の証明に努めます。
無事、アリバイが証明され釈放されると、手紙の差出人が要であることが分かりました。
要は手紙を使って呼び出したものの、こんな展開になるとは思っていなかったと白状。
今回のことは集山が企んだと言います。
集山は左右馬の異母兄弟篤嗣を恨んでいるといいます。
佐伯澄子暗殺事件の犯人は誰?
佐伯澄子は左右馬の異母兄弟篤嗣の妻です。
澄子にある青年が告白しているところに左右馬たちは遭遇しますが、鹿乃子はその告白が嘘だと見抜きます。
青年は、ある女に澄子と駆け落ちにするよう命令されたと言います。
澄子もその話を理解し、みんなで謎の女の正体を突き止めるため、園遊会潜入します。
園遊会には過去に篤嗣と縁談が持ち上がった女性たちみなが招待されていました。
女性陣の中から嘘をついていた多江がその女性の正体でした。
反省の色を見せない多江を引き続き見張る左右馬は、毒入りの紅茶を澄子に飲ませようとしました。
多江は正妻の澄子に見下されていると恨みをつのらせ犯行に及んだそうです。
未然に殺人を防いだ報酬として篤嗣から史郎を名乗る男の情報をもらって帰路につきました。
【嘘解きレトリック】ラストのその後は?
嘘を見抜ける事で周りからの反感を買ってしまい、のけものにされてきた鹿乃子の心を救ったのは左右馬でした。
一緒にいるのがいやではないと本心から語った最初の出会いの頃、彼女の心に明るい光が灯った事は間違いありません。
彼女の心が癒やされ、嘘を見抜く力の限界を知り、その能力ともいつか終わりが来るかもしれません。
しかし、それで左右馬にとっての自分の存在価値がなくなると心配する事はもうないでしょう。
嘘を見抜けるとの探偵にとって必須な能力があるから彼女と一緒にいるのではなく、彼女の存在そのものが大切だからです。
「嘘を見抜けば真実が分かるわけではない」がこの漫画の1番のテーマかなと思いました。
人の感情はそこまで単純なものではないからです。
かつての同郷で、鹿乃子を気味悪がっていた君ちゃんと再会した時、君ちゃんは嘘を聞き分ける能力を使って結婚相手の本性を知りたいと思いました。
嘘を見抜けたからと言って心を読めるわけではありません。
今言ったその言葉が嘘ではないと分かるかも知れないけど、本当の気持ちが見抜けるわけではないと話します。
だからこそ今の真実の気持ちを大切にする事が必要なんです。
どの言葉にも基本的には心が通っていますから、嘘か嘘じゃないかではなく、その人の気持ちを理解するのが大切だと教えているんです。
相手を思ってつい言ってしまう嘘もありますよね。
それをあばいたところで、誰もいい気持ちにはなるわけありません。
正直さは大切ですが、どうしてそうしたいと思うのか、自分の気持ちに素直になる重要性を学べる漫画です。
ラスト、みんながどんな結末になったのかまとめてみました。
左右馬と鹿乃子のその後
この2人はこれからも一緒にいたい気持ちを素直に伝え合えたので、単なる助手以上の関係になっていくでしょう。
鹿乃子は左右馬に隠さずに好きな気持ちを伝えると、それに対し、左右馬も好きだと答えました。
もちろん、結婚するとか、交際するとかそういう明快な終わり方はしていませんが、それでも2人が幸せになった事は伝わってきます。
いつまでも手を取り合い、助け合いながら幸せになっていく事でしょう。
クリスマスを祝った経験がないという鹿乃子のためにみんながサプライズでパーティーを企画してくれました。
しかし左右馬は彼女にとってサプライズが意味をなさないとを知っています。
だから極力彼は彼女と会わないようにと…
姿が見えない彼を探す彼女は、周りのみんなが嘘をついているのが分かっても真実が見えてきません。
不安な気持ちになります。
そう、嘘かどうか分かっても真実が分からないと不安に感じる、それが普通の感情なんです。
そしてそれが真実です。
鹿乃子は気づき、本当の意味で自分が見えているものが何かを悟りました。
鹿乃子は左右馬の嘘を聞いてしまうのを怖く思った事もあったでしょう。
でも大事なのはそれじゃないんですよね。
ずっと一緒に幸せになっていく事でしょう!
馨のその後
馨には一度咲子という女性との婚約の話が出てきましたよね。
相手を大切にするのが言葉でも行動でも出てて、こんな人と結婚できたら幸せだろうなぁと思えた方も多いでしょう。
しかし残念ながら、その婚約相手には好きな人がいました。
飾り職人の青年で、咲子とは身分の違いゆえに結ばれないままでいたんです。
彼女は馨と結婚しなくて済むように怪奇文書などを作って画策したわけですが、すべてバレてしまいました。
しかし、偶然なのかその青年が川に落ちたところを馨が助け、それが咲子の想い人なんだと知ります。
婚約は破棄したと鹿乃子たちに報告があり、そういう男らしさもやっぱり素敵だなと思いました。
それから馨の恋に関する話は出てきませんでした。
馨が左右馬たちを支えつつ、永遠に続く友情関係を持ってくれるのもいいなと個人的に期待しています。
一方で、紳士的で素敵な馨によく合う、お淑やかで美しい女性が出てくるのもいいかぁとも思っちゃいますね。
【嘘解きレトリック】ネタバレ全巻
ここからは漫画「嘘解きレトリック」のストーリーを把握できるよう、1巻~9巻までの内容についてネタバレしていきます。
嘘解きレトリック1巻ネタバレあらすじ
時代は昭和初年、ヒロインは嘘を聞き分けられる浦部鹿乃子。
そして彼女は貧乏探偵の祝左右馬とその親友で刑事の端崎馨という素敵な仲間に出会うことになるのです。
鹿乃子は幼い頃から嘘を聞き分けることができ、その能力故に気味悪がられてしまい、1人村を離れることになりました。
仕事を探そうにもアテはなく、嘘で固められた断り文句を聞いては落ち込むばかり。
そんな時偶然稲荷の掃除に来た左右馬と馨で会い、左右馬の家に泊めてもらえることになりました。
嘘を見抜けるという彼女の能力に気づいた左右馬はかなりの観察眼をもった探偵で、彼女の力があれば多くの人の力になれると鹿乃子を探偵事務所の助手にすることにしました。
今まで嘘を見抜く能力のために孤独に生きてきた彼女には、「一緒にいるのが嫌じゃない」と言ってくれた彼の言葉が嘘じゃないことに感動して涙を流します。
彼は彼女の能力に生かし方をよく知っていて、2人で力を合わせて事件を解決していくわけです。
最初は藤島千代誘拐事件でしたが、見事に解決!
その成果が新聞に載せられると、一気にツケを払ってもらおうと飲食店の店主らが探偵事務所に列をなしたのでした。
嘘解きレトリック2巻ネタバレあらすじ
九十九夜町で連続殺人事件が起き、馨がその現場を見ています。
その頃、未解決のままになっている十年前の殺人事件が起きた屋敷で寛二が幽霊を見て混乱し、車にひかれて入院してしまいました。
左右馬と鹿乃子は事件について聞こうと恋人のカフェローズの女給(カフェで客の接待をする人)のリリー(本名百合子)と寛二が口喧嘩しているのに遭遇します。
原因は寛二の浮気疑惑でしたが、なんとか2人の仲を修復したい鹿乃子と、十年前の事件と昨今起きている事件の犯人が一緒であることに気づいた左右馬は幽霊目撃事件を調査することに。
見事事件は解決し、しかもその犯人が寛二の浮気相手と疑われていた人物であったことも判明したんです。
おかげで浮気ではなかったことが明らかになり、二人の関係も無事解決しました。
嘘は見抜いても真実を見抜けず探偵の助手をやめたいと言った彼女でしたが、左右馬は嘘の分かる彼女と自分が一緒にいれば見えてくるものがあると励ましてたんです。
人が嘘をつくとはどういうことなのか、事件を通して学ぶことができます。
嘘解きレトリック3巻ネタバレあらすじ
ついに家賃が払えなくなった左右馬が夜逃げと言って、汽車に乗って出かける2人。
実は馨の姉の雅(雑誌記者)の取材に同行することで今月の家賃を肩代わりしてもらうという魂胆でした。
1ヶ月前にある人形屋敷でおきた殺人事件では、その屋敷で働いていた女中が何者かによって殺されていました。
その人形屋敷は村1番の資産家である綾尾家で、2年前にから亡くなった両親の代わりに娘の品子が店を継いでいます。
綾尾家には少し変わった風習があり、それが今回の事件のヒントになりました。
犯人は品子でしたが、左右馬は犯人が三つ子であることを見抜いて事件は解決します。
雅から品子たちの殺人事件は情状酌量の余地があったとの連絡を後日受けて鹿乃子はホッとします。
「自分らしく生きる」がテーマになった回でした。
嘘解きレトリック4巻ネタバレあらすじ
以前の事件で知り合いになった寛二から刀真島(とまじま)という島で起きた殺人事件を解決して欲しいと言われ、お金に目がくらんだ左右馬は寛二と共に刀真島に行くことにしました。
白井峰男という男性が殺された事件では、寛二が泊まらせてもらっていた峰男の兄夫婦が殺人の容疑にかけられていました。
しかし、峰男が殺されたという時間、寛二はその時間は彼らのアリバイを証明することができたんです。
左右馬は兄夫婦が寛二の時計を気づかれないようにずらし、また気づかれないように戻すことによって、アリバイ工作に利用されたんではないかと推理。
兄夫婦を慕っていた寛二にはショックな考えでした。
このまま事件の解決に協力するのも、なかったことにするのも心苦しく感じましたが、結局事件解決までサポート。
犯人は峰男の財産に目がくらんだ兄夫婦でした。
抜け目ない観察力と推理力を持つ左右馬のことを思わず「ちょっと怖いね」と寛二に言われ、鹿乃子は自分が受けてきた感触と同じものを感じました。
もしかして左右馬も自分の能力のせいで孤独だったのかも…
嘘解きレトリック5巻ネタバレあらすじ
娘の鹿乃子が村を出てから一年。
母は彼女からの手紙に記された新しい住所に驚きます。
手紙には、鹿乃子が九十九夜町という町にいることが明かされていたのです。
母は迷わず鹿乃子に会うため、その町へと向かいますが、到着してすぐ道に迷ってしまいます。
そんな中、近くの村人に尋ねると、その人物がなんと左右馬(そうま)だったのです。
左右馬は初めは正体を隠しつつ、母を案内します。
母は左右馬に導かれながら、果たして自分が娘とちゃんと話せるのか、言葉にできるのかと不安を抱えています。
過去に娘を傷つけてしまうことを恐れ、結局何も言わずにいた母。
それでも、鹿乃子が左右馬とうまくやれているのか、どうして彼が鹿乃子の力を理解し、支え続けられるのかを知りたくて仕方ありません。
どうして自分にはそれができなかったのかという悩みも浮かびます。
母の独り言に、左右馬はふと反応し、「嘘を見抜かれるより、真実を信じてもらえない方が面倒だ」と言います。
そこで母は、目の前の人物が左右馬本人だと気づき、驚きます。
事務所に着いた母は、娘の鹿乃子の帰りを待つことに。
その頃、鹿乃子は町で強盗を捕まえていました。
事務所に戻ろうとすると、仲間の「ろっぺい」に、しとやかな美人と左右馬が一緒に歩いていたと聞かされます。
気になった鹿乃子は急いで事務所に戻り、ドアを開けると、そこには左右馬と一人の女性がいます。
女性の顔を見た瞬間、鹿乃子はそれが母であると気づきます。
次の瞬間、母は鹿乃子に抱きつき、涙ながらに「大好きだ」と告げます。
こうして、長い時を経て母と娘は再び心を通わせることができたのでした。
翌日、母親は鹿乃子を左右馬に託し、「どうか娘をお願いします」と告げて村へと帰ってきました。
鹿乃子は、これまで「嘘が聞こえる」能力に悩まされていた日々に、ようやく救いの光が見え始めた瞬間でしたね。
それから数日後、2人は新たな依頼を受けます。
依頼人は作家である天野の知人、実原久という女性。
彼女の18歳の娘である依里が25年前に駆け落ちし、行方不明になったことが事の発端。
依里は失踪の翌年に出産時に亡くなり、その子供は一時的に他の夫婦に引き取られましたが平田夫婦も災害で行方がわからなくなり、子供の記録も失われました。
時を経て、依里の子供だと名乗る二人の男性が現れます。
一人は徳田史郎、もう一人は本条皐月です。
実原は鹿乃子たちに、どちらが本物の孫かを見極めてほしいと依頼し、二人に会った鹿乃子は、依里に似た特徴を持つことを感じ取ります。
しかし、鹿乃子は徳田の言動に違和感を覚え、彼が偽名を使っていることを見抜きます。
そして二人の男性と共に食事をする場面で、徳田はずっと嘘をつき続けているのに対し、本条は正直に話をしていることが判明します。
本条は、依里にまつわる「背守り」の話を実原に伝え、その内容が依里と深く関わっていることから、実原は本条こそが本物の孫であると確信するのです。
実原は本条に依里の使っていた背守りの模様を書かせ、その絵を見て本物の孫だと確信します。
一方で、徳田はその場を立ち去り、バス停へ向かいます。
鹿乃子と左右馬は急いで彼を追い、徳田が何者なのかを問い詰めますが、徳田は冷たく「時間の無駄だ」と言い残し、二度と実原に関わらないと告げて去っていきます。
その時、徳田が鹿乃子の嘘を見抜く合図の動作を真似し、まるで何かを知っているかのような不気味な雰囲気を残してその場を後にするのでした。
嘘解きレトリック6巻ネタバレあらすじ
鹿乃子たちが過ごす祝事務所に、新たな話題が持ち上がりました。
それは、鹿乃子と左右馬の仲間である端埼(はしざき)の結婚話です。
彼は、父親の知り合いの娘と縁談が進められ、まだ一度も会ったことのない相手ですが、父親に「そろそろ身を固めるべき」と言われたため結婚を決意したと語ります。
そんな端埼の話を聞いて、鹿乃子は左右馬の家族のことをふと思います。
鹿乃子は今まで左右馬の家族について何も知らないことに気づき、端埼が「左右馬の父親は何も言ってこないのか?」と軽く質問しますが、左右馬は「言うわけがない」と言って話を変えてしまいました。
これまで左右馬の家族について深く考えたことがなかった鹿乃子ですが、この言葉をきっかけに左右馬の過去に興味を抱くようになります。
結局、端埼の縁談は、結局相手に想い人がいたことが理由で破談になってしまいます。
鹿乃子は端埼に良いご縁があるよう願うものの、左右馬は「彼は金持ちだし、父親がうるさいからまたすぐに新しい縁談の話が出てくるだろう」と軽く言いました。
鹿乃子は端埼の話を思い出し、さりげなく左右馬に「ご両親のこと」を尋ねますが、左右馬は「父も母も、継ぐ家もない」と答えます。
以前、左右馬は父親がまだ健在だと話していたような気がしていた鹿乃子は驚きますが、この話も嘘ではないと感じました。
1年近くも左右馬の側にいるにもかかわらず、彼について何も知らないことを痛感する鹿乃子。
数日後、事務所に汽車の往復切符と共に手紙が1通届きます。
手紙には差出人は書かれていませんが、鶴の図案が描かれており、それを見た左右馬は「実原」からのものだと考えます。
手紙には自分のみで誰も他の人と一緒に来るなと記されており、左右馬は鹿乃子を事務所に留守番させて、単身田打町へ向かいました。
しかし、全ては初めから仕組まれていた罠だったのです。
左右馬が田打町で泊まった旅館で、現れない待ち合わせの相手を待っていた彼の部屋で、翌日他殺体が発見されてしまいます。
しかもその場所は、左右馬が泊まっていた部屋でした。
左右馬が事務所に戻ってきてから警察が訪れ、彼を犯人として連行。
鹿乃子は左右馬の無実を信じ、必死に否定しますが、警察は聞き入れません。
そんな左右馬を救うため、鹿乃子は単身で田打町に向かいます。
しかし、宿泊客でない鹿乃子は旅館に入れてもらえません。
そこで力を貸してくれたのはまさかの徳田でした。
彼のおかげで旅館に忍び込むことができた鹿乃子は、左右馬が泊まっていた部屋と縦に繋がっている「芝桜の間」を調べ、ある発見をします。
芝桜の間から遺体が左右馬の部屋へ運ばれた痕跡が残っていたのです。
これにより、左右馬の疑いは無事に晴れました。
結果的にこの事件は、集山(しゅうざん)という男が左右馬の異母兄である篤嗣(あつし)に対して抱いた逆恨みが原因でした。
集山は篤嗣に何度も面会を求めていましたが、篤嗣は自分を恨む相手と会うのを避けていました。
そこで、集山は篤嗣ではなく、左右馬を標的にして試したのです。
事件が解決したのち、鹿乃子は左右馬が無事に戻ってきたことを喜び、徳田の助けを借りたことを伝えます。
しかし、そこで左右馬は驚く事実を明かします。
手紙を書いたのはなんと徳田本人だったのです。
さらに、徳田は鹿乃子と同じ「嘘を見抜く力」を持っていることも判明します。
嘘解きレトリック7巻ネタバレあらすじ
物語の中心にいる左右馬と鹿乃子は、九十九夜町での日常を少しずつ取り戻しながらも、過去の未解決事件に深く潜む真犯人を追い続けています。
鹿乃子が田打町へ出かけている間、千代が左右馬の逮捕を知り、彼の無実を証明しようと自ら事件の調査に乗り出しました。
左右馬が罪を着せられた背景には、彼を恨んでいる誰かがいると千代は考え、その真相を探るためにさまざまな手がかりを求めて動き始めます。
手始めに、彼女は事務所内をくまなく調べて、どんな小さな手がかりも見逃さないようにと、細心の注意を払いながら捜査を進めていました。
すると、事務所の屑籠の中から古い新聞の切れ端が見つかり、そこに「タカヤマ商会解散」という見出しが記されているのを発見します。
この記事が重要な手がかりになるかもしれないと考えた千代は、その内容を慎重に調べ始めます。
千代が事務所で見つけた「タカヤマ商会解散」という記事を手に、何か重要なことに気づいた瞬間、耕吉が「タカヤマ」という名前に強く反応します。
彼は以前、転野町に出かけたときに、喫茶店の外で聞いた会話を思い出したのです。
そのとき、タカヤマという男が赤原灯台に身を隠しているという情報が偶然耳に入りました。
この情報が何か大きな意味を持っていると感じた千代は、真犯人がタカヤマであると直感し、すぐに赤原灯台へ向かうことを決意します。
千代は迷わず行動を起こし、赤原灯台に到着。
彼女の推理は見事に当たり、タカヤマが徳田たちと密かに話していた「集山」と同一人物であることが判明します。
これにより、事件の核心に一歩ずつ迫り、ついに真相が少しずつ明らかになっていくのでした。
一方、鹿乃子は日常の探偵業務をこなしながらも、小さな事件を着実に解決していくことで自らの存在価値を感じていました。
彼女の日々の生活は忙しくも充実しており、町中の依頼を一つ一つ丁寧に処理していくことで、探偵としてのスキルを磨いています。
そんなある日、鹿乃子は以前にスリから救った男性から感謝の気持ちを込めた報酬を受け取る機会に恵まれました。
この思わぬ報酬に鹿乃子は大いに喜び、その喜びを左右馬にも伝えます。
報酬を手にした鹿乃子の嬉しそうな様子を見て、左右馬は「これだけあれば汽車代にはなるな」と何気なく呟きます。
この発言を耳にした鹿乃子は、左右馬がまた突然逃げ出してしまうのではないかと不安になります。
彼が過去に何度も突然姿を消してしまった経験が、鹿乃子の心に暗い影を落としていたのです。
しかし、今回は事情が違うことがすぐに明らかになります。
左右馬は、逃げるつもりではなく、今度は自らの意志で異母兄である篤嗣に会いに行くことを決意していたのです。
篤嗣は、左右馬を冤罪に陥れた張本人であり、かつての事件に深く関与していた冷酷で無情な人物です。
彼は左右馬を助けるどころか、逆に彼を利用して自らの罪を隠蔽しようとしました。
左右馬にとって篤嗣との関係は非常に複雑で、彼への憎悪と困惑が入り混じった感情を抱いています。
そんな篤嗣のもとへ、左右馬が一人で向かおうとすることに対し、鹿乃子は不安を隠せません。
彼女は、左右馬を一人にさせるわけにはいかないと考え、彼に同行することを決意します。
二人は汽車に乗り、篤嗣が住む豪邸へと向かいます。
汽車の旅の途中で、左右馬は鹿乃子に、事件の裏で糸を引いているのは「徳田」という男ではないかという推測を打ち明けます。
ついに篤嗣の家である佐伯邸に到着した二人を待っていたのは、威圧感のある巨大な豪邸でした。
表札には堂々と「佐伯」と書かれており、その豪奢な建物は左右馬の過去と家族の力を象徴しているかのようでした。
しかし、篤嗣の使用人たちは「会う必要も理由もない」と言い、冷たく二人を追い返そうとします。
それでも、左右馬と鹿乃子は諦めませんでした。
篤嗣が何かしらの反応を見せるまで、しつこく粘り続けることを決め、邸の外で待ち続けることにしました。
幸運にも篤嗣の妻であり、橘侯爵の娘である澄子と接触する機会を得ました。
澄子は、篤嗣とは異なり、非常に穏やかで親しみやすい性格を持つ女性でした。
彼女は炊き出しの現場でボランティア活動をしており、左右馬と鹿乃子はそこで彼女に声をかけ、手伝いを申し出ます。
手伝ったお礼として澄子からサツマイモを受け取っていると、そこに若い男性が現れ、澄子に話しかけてきました。
その男性は、4日前に酔っぱらって道端で倒れていたところを澄子に助けられたという人物でした。
彼は澄子から借りたハンカチを返し、その場で彼女に対して好意を告白して去っていきます。
しかし、そのやり取りを木陰から見ていた鹿乃子は、彼の言葉がすべて嘘であることを瞬時に見抜きます。
何か裏があると感じた鹿乃子と左右馬は、すぐにその男性に接触し、詳しい事情を探ることにしました。
驚いた様子の男性は、突然「お前もあの女に頼まれたのか?」と左右馬たちに問いかけます。
左右馬は冷静に彼に話を合わせ、さらなる情報を引き出すと、男性はある女性から依頼を受け、澄子と駆け落ちする計画を立てていたことを打ち明けます。
しかし、この計画には恐ろしい裏がありました。
その裏の目的は、澄子に毒を盛り、彼女を殺害するというものでした。
左右馬と鹿乃子は、この恐ろしい計画を澄子に伝え、彼女に注意を促します。
澄子は、すでに何かが裏で動いていると感じ取っていたようで、左右馬たちの話を信じ、さらなる協力を求めます。
左右馬たちは、篤嗣と縁談があった女性が陰謀の首謀者であることを突き止め、澄子もそれを確認します。
澄子は、篤嗣と共に出席予定の園遊会にその女性が出席することを知り、左右馬と鹿乃子にもその園遊会に潜入して欲しいと依頼しました。
二人は澄子の要請を受け入れ、次なる行動を開始します。
嘘解きレトリック8巻ネタバレあらすじ
澄子に対する嘘の告白を行った男は、単なる感情や遊びからの行動ではなく、実は佐伯家の正妻の座を狙う野心的な女性に雇われた刺客でした。
刺客である彼の目的は澄子と駆け落ちを装いながら、彼女の命を奪うこと。
最初は優しく澄子に接近し、恩を返すかのような行動を取っていましたが、その裏には暗い陰謀が潜んでいたのです。
澄子はやがて彼の裏の顔に気付き、自らの命が狙われていることを察知します。
澄子はこの危機を乗り越えるため、左右馬と鹿乃子に助けを求めることにしました。
二人は澄子の提案を受け入れ、彼女に対する陰謀を企てた人物を探り出すべく行動を開始します。
澄子と関わりの深い人物たちが集まる園遊会に潜入した左右馬と鹿乃子は、首謀者を探るために動き出します。
この園遊会には、佐伯家の跡継ぎである篤嗣との縁談があった三人の女性が出席しており、その中の一人が陰謀の中心にいると疑われていました。
左右馬と鹿乃子は、その三人の女性たちに順に接触し、会話を重ねて真相を探ろうとします。
表面的には皆が普通に振る舞っていましたが、話を進めるうちに一人の女性、多江の挙動に不自然さを感じ始めました。
彼女の話の中には微妙な矛盾があり、何かを隠している様子が明らかに見えたのです。
左右馬と鹿乃子がさらに彼女を追及していくと、多江はついに自身が澄子に対する陰謀に関わっていたことを認めざるを得なくなります。
多江の目的は、澄子を陥れ、佐伯家の正妻の座を奪うことでした。
しかし、彼女は自らの罪を認めたものの、反省する様子は一切見せず、逆に堂々とした態度を取り続けます。
この状況を見た澄子は、多江が追い詰められていることに気づき、驚くべき行動に出ます。
なんと澄子は彼女の将来を考え、「なかったことにしよう」と多江に寛大な対応を示し、彼女を許すことに。
そして、篤嗣にもこの件を秘密にしておくよう提案しました。
多江は一見、澄子の寛容な態度を受け入れたかのように見えましたが、実際にはその場を去る際に彼女の顔には怒りと恨みの感情が浮かんでいました。
その表情を見た鹿乃子は多江の様子に不安を感じ、事件が完全に終わっていないのではないかと疑念を抱きます。
そしてその疑念は、とうとう現実に。
しばらくして、澄子が一人で庭にいると、多江が再び現れます。
今度は、手に毒の入った飲み物を持ち、澄子にそれを飲ませようとしていたのです。
多江は、愛されることなく地位や家柄に縛られて生きてきた自分の人生に対して、強い嫉妬と憎悪を抱いていました。
彼女は澄子が家柄の良さだけでなく、篤嗣に愛されていることを妬み、その憎悪が澄子への毒殺という最悪の計画に繋がったのです。
その場には篤嗣も現れ、多江に対して冷酷な言葉を投げかけます。
「家柄に愛や見栄を求めるのは無意味だ」と彼は言い放ち、多江をさらに追い詰めます。
この言葉に、多江は自身の抱える苦しみを認めざるを得なくなりました。
しかし同時に、この冷たい言葉は篤嗣自身もまた、家柄や社会的地位に囚われ、自らの感情を抑えて生きていることを示唆しています。
そうして多江は逮捕され事件は解決することに。
左右馬は澄子を助けた報酬として、篤嗣にある事件に関する情報を求めます。
特に彼が気にかけていたのは、自分に手紙を送ってきた「徳田」という人物についてです。
篤嗣は左右馬に関連する資料を手渡しますが、その内容は名前や年齢が不明であり、さらに偽名を使っていたことを示すわずかな情報に過ぎません。
事件の全貌を解明するには、まだ多くの謎が残されていたのです。
一方で、鹿乃子は「徳田」に直接会うことができれば、彼が失った「力」について何か手掛かりを得られるのではないかと考え始めます。
徳田はかつて鹿乃子と同じく強力な力を持っていましたが、それを失ったと語っていました。
この話を聞いた鹿乃子は、自分もまた何かを失うことへの恐怖を感じ始めます。
特に、左右馬との関係が変わってしまうことや、彼と離れ離れになることが最も恐ろしいことだと感じるようになっていきます。
そんな中、探偵事務所には「麗子」と名乗る女性が訪ねてきました。
彼女は行き場を失っており、大家に紹介され、しばらくの間事務所に滞在したいと申し出ました。
麗子は、家賃を免除する条件として、手伝いをすることを提案し、左右馬たちはその条件を受け入れます。
しかし、彼女が名乗った「麗子」という名前は偽名であり、何かを隠していることが次第に明らかになっていきます。
ある日、麗子が栗を剥いていると、左右馬と鹿乃子も手伝いましたが、翌朝になると、彼女は一人ですべての栗を剥き終えていました。
勤勉な麗子に感謝する二人でしたが、ふと気づくと、剥いた栗の下に敷かれていた新聞紙が一枚失くなっていることに気付きます。
何か重要な情報がその新聞に載っていたのではないかと疑った二人は、図書館へ行き、その新聞の記事を調べることに。
図書館で失われた新聞を探し出すと、そこには「尋ね人」の欄に「蘭子へ 心配している 連絡乞う 鈴乃」というメッセージが記されていました。
左右馬と鹿乃子は、このメッセージが何を意味するのかを解き明かすため、関係者に会いに行くことになりました。
その結果、麗子の正体は「蘭子」であり、彼女はかつて「鈴乃」という女性の家で住み込みの女中として働いていたことが判明します。
蘭子は、鈴乃の婚約者である柾と結婚が決まった際、姿を消してしまいました。
周囲は蘭子が柾に恋をしていたのではないかと疑っていましたが、実は彼女が愛していたのは鈴乃その人だったのです。
噓つきレトリック9巻ネタバレあらすじ
ただの助手という役割から徐々に変わり始め、左右馬の隣にいること自体に喜びや安心感を感じるようになっていく鹿乃子。
最初、鹿乃子は探偵助手として左右馬の力になりたいと願っていましたが、次第に彼の存在そのものが自分にとって欠かせないものとなっていきました。
そんな中、雅が探偵事務所を訪れ、徳田に関する新たな手掛かりを持ち込みます。
雅は、鹿乃子と左右馬に「元 和泉河伯爵 別邸 消失」という新聞記事を見せ、和泉河邸の火災について話し始めます。
火事の参考人として端埼の名前が挙がっていることが記事には記されていましたが、端埼はその日の事件当時、九十九夜署に出勤していたため、事件に直接関わっている可能性は低いと見られていました。
しかし、事件現場の近くにあった茶屋の店員が、火災当日に「ハナサキ カオル」と名乗る男が道を尋ねていたことを証言しています。
雅は、この「ハナサキカオル」が徳田である可能性が高いと推測し、そのことを左右馬たちに伝えてくれたんです。
これにより、鹿乃子たちは、田打町で起こった事件と和泉河伯爵邸の火災との間に何か関連性があるのではないかと疑い始めます。
9年前、和泉河伯爵は詐欺の罪で処罰されましたが、その事件の裏には「霊視」を行う謎の子供が関わっていたというのです。
この子供が、心の中が読める力を持っており、詐欺師として和泉河伯爵を支援していたとされ、莫大な報酬を得ていたとされています。
鹿乃子と左右馬は、この霊能者の子供が徳田であった可能性が高いと推測し、調査を進める決意を固めます。
一方で、端埼もまた、徳田のことを独自に調査していました。
鹿乃子と左右馬は、徳田に直接会うことで「失われた力」について何か重要な手掛かりが得られるのではないかと期待し、田打町へ向かうことを決意します。
彼は、田打署の刑事が九十九夜署を訪れ、田打事件に関する詳細な聴取を行っていたことを伝え、鹿乃子たちにその情報を提供します。
しかし、これはすべて徳田の巧妙な罠だったのです。
実は、田打署の刑事を名乗っていたのは徳田本人であり、鹿乃子たちを田打町へと誘導するための策略でした。
そして駅の混雑を利用して鹿乃子を別の列車に乗せ、彼女を誘拐するという大胆な行動に出ます。
列車の中で、徳田は警戒心を持つ鹿乃子に対して、自分の過去を語り始めます。
ここからは徳田の過去の話になります
徳田は、もともと捨て子であり、幼い頃から厳しい環境で生き延びていました。
周囲の人々に疎まれ、異端視されながらも、物乞いをしながらどうにか生き続けていたのです。
しかし、ある日、彼は武上という男に拾われ、そこから運命が大きく変わります。
武上は、この少年の持つ特別な「霊視」の力に目をつけ、彼を利用することで和泉河伯爵と手を組み、金儲けを始めます。
武上と和泉河伯爵は、徳田を「翡翠様」として祭り上げ、神童として霊視能力を見せ物にし、周囲から莫大な報酬を受け取るようになります。
徳田は、霊視能力を持つ者として特別な存在にされ、武上の計画の中で重要な駒として使われることになりました。
しかし、時間が経つにつれて、徳田の霊視の力は徐々に弱まり、ついには力を失っていくことになります。
これにより、武上と和泉河伯爵の計画は崩壊し、二人の関係も破綻を迎えることになりました。
武上は、力を失ってしまった徳田を守るために逃げ道を教えます。
彼は、屋敷の裏にある水路の横穴を使って逃げるように指示しますが、そこには罠が仕掛けられていました。
徳田が逃げようとした矢先、上流の水門が開き、突如として水が流れ込んできます。
徳田は命の危機に晒されながらも、間一髪で助かることができました。
武上は徳田を守ろうとしたのか、それとも殺そうとしたのか…
その疑問の答えが知りたくて、鹿乃子を誘拐し、武上に会いに行こうと思ったというわけです。
嘘解きレトリックの原作は完結してる?
嘘解きレトリックのは「別冊花とゆめ」で2012年から連載が始まった作品です。
現在、連載は終了していて漫画は全10巻で完結しています。
作者は都戸利津さんです。
漫画が原作という事もあり、映像化されるとしてもアニメ化かなと思ったんですが、今回は実写化になっていて期待が高まっています。
嘘解きレトリックを読んだ人の感想・評判
嘘解きレトリックを読んだ人の感想や評判をまとめてみました。
嘘と真実をテーマにこんなに面白い作品になるなんて驚いた。全巻10巻で読みやすいボリュームなのもとてもいい。
コメディ要素もあってとても面白いと思います。嘘が分かるって能力は探偵として無敵かと思いきや、そんな単純な話でもなくて奥が深い漫画です。
読みやすさと親しみやすさ、そしてその背景にある話の奥深さを面白いと感じたようですね。
一方つまらないと感じた方のレビューも見てみました。
全体を通して嘘が読める能力が生かせてないのをもったいなく感じた。人間関係の中身もまだ薄いかな〜
ヒロインが真面目すぎる(笑)
嘘を見抜き過ぎて、正義感の塊になってしまってるのが読んでて疲れてしまった。
いろいろ気にしすぎでしょ(笑)
どの漫画にも好みがあって面白いと思う人もいればつまらないと思う人もいます。
とはいえ、レビューを見る限り、ほとんどは高評価で謎解きも楽しめたし、ちょっとした恋愛要素も良いという意見も多数ありました。
まとめ
ここまで「嘘解きレトリックネタバレ最終回結末!原作10巻のラスト&その後もご紹介!」と題してお届けしてきました。
「嘘解きレトリック」はすでに完結した都戸利津さんの漫画で、鈴鹿央士さん&松本穂香さん主演でドラマ化されました。
能力を使った事件の謎解きが面白い作品でしたね。
原作は10巻で完結しているので事件の謎解きも含めて最終回の結末ネタバレをご紹介できました。
最終回がどんな風になっているか、結末までネタバレが分かっていたとしてもその温かな雰囲気に浸りたくてつい読んでしまう作品です。
主要キャラたちの優しさ、真剣さ、面白い一面なども惹きつけられます。
また、キャラのその後も丁寧に描かれており、最終回でとても気持ちよく読み終われるところも魅力です。
ドラマでは、この作品の優しい温かな空気感がどんな風に表現されていくのか、主要キャラのその後がまた違う形で描かれるのかも注目していきたいと思います。