『悪役令嬢ですが、幸せになってみせますわ!アンソロジーコミック』の12巻に収録された『悪役令嬢、断罪前緊急36時間』
本作は主人公の公爵令嬢シェリリアが突然前世の記憶を取り戻し、自分が恋愛小説の悪役令嬢であることに気づく物語。
しかし、彼女にはたった36時間しか残されていなかった。
なぜなら、婚約者である第三王子・ミハイルに冤罪を着せられ、断罪される運命にありました。
物語はこの限られた36時間という中で、シェリリアが策略を駆使し、自らの未来を切り開く逆転劇を前編・後編の2部構成で描いています。
本記事では前編~後編のストーリーを結末までネタバレ込みで完全解説。
『悪役令嬢、断罪前緊急36時間』の魅力を余すところなくお伝えしますので、ぜひ最後までネタバレをお楽しみください!
悪役令嬢、断罪前緊急36時間はどんな作品?
タイトル | 悪役令嬢、断罪前緊急36時間 |
作者(原作/作画) | 三香/遊行寺たま |
ジャンル | 恋愛(悪役令嬢モノ) |
配信スタート | 2024年7月1日 |
レーベル | ZERO-SUMコミックス |
原作小説 | 小説家になろうで配信中 |
配信サイト | コミックシーモア、めちゃコミックなど |
連載状況 | 前編・後編の2巻で完結 |
本作は、「小説家になろう」に投稿された悪役令嬢モノの作品をコミカライズしてまとめた『悪役令嬢ですが、幸せになってみせますわ!アンソロジーコミック』内に収録されていた作品です。
現在は、コミックシーモアをはじめとする多くの漫画サイトで配信されています。
悪役令嬢、断罪前緊急36時間のストーリーを結末までネタバレ!

『悪役令嬢、断罪前緊急36時間前』は全2巻(話)で完結済みです!
まずは全話のネタバレあらすじをご紹介!
悪役令嬢、断罪前緊急36時間の前編ネタバレ結末
主人公はある日、突然前世の記憶を取り戻します。
思い出したのは、前世で読んでいた小説の内容・・・。
そして、自分自身がその小説の世界に転生しているという事実でした。
この王国では『長く美しい髪』を持つ女性こそが最も美しいとされています。
しかも、転生したのは公爵令嬢『シェリリア』
当代三代美女と称されるのうちの一人です。
だが、その美しさとは裏腹に、彼女の立場は決して安泰なものではありませんでした。
「36時間後、私は冤罪で断罪される・・・!」
・・・彼女はこの先に起きる運命を知っている。
シェリリアは脇役であり、それも王国の滅亡のきっかけとなるキャラクターなのです。
この王国の未来は、ある3人の人物の思惑によって大きく揺らいでいました。
『王妃』→息子であるミハイルを王座に就けるためにシェリリアと婚約させたがっている。
『第三王子ミハイル』→本命の恋人である『男爵令嬢ゲルダ』と結ばれるためにシェリリアを邪魔者扱い。
『シェリリア』→幼馴染である『医師のルドヴィス』に想いを寄せているが、政略婚のため感情を押し殺している。
この三者の思惑が交錯し、やがてシェリリアに理不尽な断罪が下されることになります。
ミハイルは自分とゲルダの関係を邪魔するシェリリアを排除するため「無罪の罪」をでっち上げました。
その罪とは『美の象徴である髪を切り落とし、名誉を剥奪すること』
とくにこの国では「長い髪こそ女性の価値」とされているため、シェリリアにとっては人生を奪われるも同然でした。
しかし、それだけでは終わりません。
・ミハイルと政略結婚させられ囚われの身となる。
・王妃とミハイルから過酷な扱いを受けて心を壊される。
・ルドヴィスが闇に落ちてしまう。
そしてこの出来事をきっかけに、民衆や良心派の貴族が王国に対する不信感が募り、この世界のメインストーリーである動乱の時代へ突入します。
つまり、シェリリアは王国滅亡の引き金として利用されるだけの駒に過ぎなかったのです。
美しい髪を切り落とされ、誇りを奪われ、心を折られ、やがて王国崩壊のきっかけとなる。
それがこの物語で彼女に与えられた唯一の役割でした。
そして、主人公は悲劇の少女シェリリアとして転生しました。
残された時間は、たった36時間。
シェリリアの運命を変える反撃がここから始まります。
1.父親である侯爵に相談と協力要請
まずは頼れる存在である父『侯爵』に助けを求めます。
前世の記憶を取り戻したこと、そして近づく断罪の危機を包み隠さず伝えました。
侯爵は突然の告白に戸惑いを見せながらも、娘の覚悟を見て全力で協力することを約束。
父の協力を得ることで、断罪を回避するための確固たる基盤を築きました。
2.トリアス商会の総支配人ハンスへの依頼
次にシェリリアは、トリアス商会の『総支配人ハンス』を訪ねます。
目的は断罪を覆すための重要な鍵となる『特別なかんざし』の作成を依頼。
見た目は上品な細工が施されたかんざしには『特別な仕掛け』がありました。
3.王弟グスタフを味方につける
さらにシェリリアは『王弟グスタフ』に協力を持ちかけます。
グスタフも兄である国王や、王妃やミハイルの度を越した横暴や王室の在り方に不満を持っていました。
その事実を知るのは部外者である『読者の主人公』だけです。
見事グスタフと意見が一致しました。
そしてシェリリアは協力な味方を得ることに成功します。
全ての準備は整った。
あとは断罪の場でシェリリア自身がどう立ち回るか。
断罪まで残り30分
前編はシェリリアが大夜会に参加する瞬間で幕を閉じます。
果たして運命を変えることができるのか?
後編へ続く。
悪役令嬢、断罪前緊急36時間の後編ネタバレ結末
前編では、シェリリアは前世の記憶を取り戻し、自分が小説世界の悪役令嬢であることを知ります。
そして、36時間後に婚約者である第三王子ミハイルによって、男爵令嬢ゲルダへの嫌がらせという冤罪をかけられ、断罪される運命にありました。
しかし、彼女はその運命に抗うことを決意し、入念な準備を整えます。
後編では、その計画がついに実行されます。
果たして、彼女は断罪を逃れ、新たな未来を手にすることができるのでしょうか?
ついに迎えた大夜会。
シェリリアはすべてを覚悟し、計画通り会場へと向かいます。
広場には多くの貴族たちが集まり、華やかな雰囲気に包まれていました。
しかし、その中で彼女の行く末を見守る視線には、冷淡なものも混じっています。
やがて、ミハイルが堂々と現れ、静寂を打ち破るように声を響かせました。
「お前との婚約は破棄する!」
「ゲルダへの嫌がらせという許し難い罪を犯したからだ!」
彼の言葉が広場にこだますると、貴族たちがざわめき始めます。
シェリリアは冷静に無実を訴えますが、ミハイルはまったく聞く耳を持ちません。
そして、彼は護衛に命じました。
「断罪の証として、その髪を切れ」
シェリリアが何よりも大切にしていた美しい髪が、無理やり切り落とされていきます。
その瞬間、周囲には驚きと哀れみの視線が向けられました。
しかし、これはシェリリアが仕掛けた逆転劇の幕開けに過ぎませんでした。
この展開はすべてシェリリアの計画通り。
彼女は事前にトリアス商会の総支配人ハンスに依頼し『髪を切られると血のような赤い液体が出る仕掛け』を施した特別なかんざしを用意していたのです。
髪が切られると同時に、かんざしの仕掛けが発動。
まるで本当に血が流れたかのように、赤い液体が広場に飛び散ります。
突然の異変に貴族たちは恐怖に怯え、会場は騒然となりました。
その混乱の中、事前に協力を取り付けていた王弟グスタフと国王が現れます。
彼らの登場によって、シェリリアにとって有利な状況が生まれました。
元々、国王は候爵家の財力や権力を重視しており、シェリリアの婚約を継続させたいと考えていました。
しかし、眼の前で繰り広げられる騒動と、王弟グスタフや貴族たちの進言を受け、「婚約の維持は得策ではない」と判断します。
こうして、正式にシェリリアとの婚約破棄が認められることになりました。
しかし、この決定に激怒したのが、ミハイルの母である王妃ドロテアです。
彼女は溺愛する息子の婚約を守るため、シェリリアに敵意をむき出しにします。
王妃ドロテアは怒りを抑えきれず、シェリリアに詰め寄ります。
強い口調で彼女を非難し、なんとかして逆転を狙おうとしました。
しかし、シェリリアは冷静でした。
彼女はわざとよろけるように倒れ込み、自分の腹部にかんざしが刺さったように見せかけます。
すると、再びかんざしから赤い液体が流れ出しました。
広場にいた貴族たちは、一斉に息を飲み、どよめきが広がります。
「王妃がシェリリアを傷つけたのではないか?」
その疑念が瞬く間に広がり、状況は一変しました。
国王はこの事態を収拾するために、ドロテアに厳しい処分を下さざる得なくなります。
結果、王妃ドロテアと第三王子ミハイルは完全に失脚することとなりました。
計画通りにすべての状況を自分の有利な形で収束されたシェリリア。
彼女は幼馴染であり、密かに想い合っていた伯爵家四男のルドヴィスによって保護されます。
そして、ルドヴィス邸へと向かい、本当に愛する人と共に、新たな人生を歩み始めました。
本来、小説の筋書きでは「シェリリアへの復讐としてルドヴィスがミハイルを殺害する」という悲劇的な結末が待っていました。
しかし、彼女自身が運命を書き換えたことで、最悪の展開を回避することに成功したのです。
こうして物語は爽快なハッピーエンドで幕を閉じました。
悪役令嬢、断罪前緊急36時間の感想

『悪役令嬢、断罪前緊急36時間』は、短編ながら濃密なストーリーと爽快な逆転劇が魅力の作品でした!
36時間という極限のタイムリミットの中で、シェリリアが巧みに仕掛ける策謀とスリリングな展開に引き込まれます。
特に印象的だったのは、シェリリアの機転の利いた行動と周到な準備です。
前世の記憶を取り戻した瞬間から、彼女は冷静に状況を分析し、限られた時間の中で最大限の効果を発揮する計画を立てていました。
父親やトリアス商会の総支配人ハンス、王弟グスタフなど適切な協力者を選び、巧妙に味方につけるという主人公がその世界の住人ではなく、小説の読者で中身を知っていたからこその立ち回りは今までになくおもしろかったです!
そして、特別な仕掛けを施したかんざしの活用は、この物語のクライマックスを飾る見事な演出でした。
髪を切られる屈辱的な場面を、逆に自分の武器として利用するシェリリアの機転には驚きの連続で、この策略によってミハイルと王妃ドロテアを一気に失脚させる展開は素晴らしかったです。
物語のテンポの良さも、前編で丁寧に伏線を張り、後編で一気に回収していく構成は読者を飽きさせません。
2巻(話)で完結の作品の良さがうまく活きた設定だったと思います!
一方で、物語の短さゆえにキャラクターの深堀りや背景設定の詳細な描写が少ない点は惜しまれる点です。
例えば、ミハイルやゲルダの人物像や、王国の情勢などについてもう少し詳しく知りたいと思いました。
しかし、これらの点を差し引いても『悪役令嬢、断罪前緊急36時間』は非常に満足度の高い作品でした!
悪役令嬢ものの醍醐味を存分に味わえる本作は、ファンタジー恋愛小説がお好きな方に強くおすすめできる一作です!
まとめ

今回は『悪役令嬢、断罪前緊急36時間』の前編・後編のストーリーを結末までネタバレしてきました。
36時間という短い時間の中で、ヒロインのシェリリアが自らの運命を覆すために繰り広げる戦略と行動力が見どころです。
前編から後編の全2巻(話)の構成でのため、時間のない方でもサクッと読めちゃうところも良い点かと思います。
『コミックシーモア』なら現在、前編が無料で配信中ですので、まだ読んでいないという方はチェックしてみてください。
『悪役令嬢、断罪前緊急36時間』のネタバレ完全解説でした!